健康相談Q&A
健康相談 Q&A
喘息ではないのに一月以上も咳が続いて困っています。どんな病気が考えられますか?
Q:喘息ではないのに一月以上も咳が続いて困っています。どんな病気が考えられますか?
A:咳の原因は実に様々です。肺がん、気管支喘息や感染症(結核・百日咳・マイコプラズマなど)のように疾患の症状の一つとしての咳がある一方で、熱も呼吸困難感(喘鳴)もなく咳だけが唯一の症状というものがあり、8週間以上持続するものを慢性咳嗽と言います。
慢性咳嗽の原因もいろいろです。副鼻腔気管支症候群、アトピー咳嗽、咳喘息が3大疾患ですが、他に、かぜの後の遷延性咳嗽、アレルギー性鼻炎による後鼻漏、喉頭アレルギー、胃食道逆流、薬剤性、心因性などがあります。
咳は性状から二つに分類できます。痰が咳とともに喀出されるのが湿性咳嗽です。痰を出すのに必要な咳で、咳止め薬をむやみに使うのは害にもなり、痰を減らす治療がなされます。これに対して痰を伴わない咳は乾性咳嗽(から咳)と言われます。
湿性咳嗽には副鼻腔気管支症候群とアレルギー性鼻炎による後鼻漏があります。前者には抗菌薬と去痰薬が、後者には抗ヒスタミン薬が有効です。乾性咳嗽に対して気管支拡張薬が効けば咳喘息を疑います。抗ヒスタミン薬やステロイド薬が効けばアトピー咳嗽か喉頭アレルギーが疑われ、喉頭アレルギーでは痰の絡んだ感じやイガイガ感があります。胃食道逆流症の咳嗽は胸焼けや吞酸などの症状を伴い胃酸抑制薬が有効です。かぜの後の遷延性咳嗽には中枢性鎮咳薬や麦門冬湯がよく効きます。心因性咳嗽は咳の音が大きいわりに重症感が乏しく、睡眠中に咳がないのが特徴です。
慢性咳嗽を診察だけで診断するのはむつかしく、上記のように診断的治療がなされるのが普通です。漢方薬は咳症状に応じて10種以上もあり、よく処方されます。
大腸がんは予防できますか
Q:大腸がんは予防できますか
A:大腸がんは近年増加傾向にあり、男女ともに2番目になりやすい癌です。
超高齢化社会の到来、食生活の西洋化などが原因と考えられています。癌は一般的に早期発見、早期治療が重要と言われており、大腸がんでもその重要性は変わりません。大腸がん検診として、便潜血検査が行われています。この検査で大腸がんおよび大腸ポリープの可能性が高い人と低い人とを分けています。ただし、注意が必要なのは陽性だから大腸に病気がある訳ではなく、また陰性だから病気が無いとは言えません。そこで、便潜血陽性となった場合は精密検査で病気の有無を確認します。
おしりから血が出た、急に便秘になった、急に下痢になった、細い便しか出ない、お腹が痛いといった症状や血縁者に大腸がんや大腸ポリープになった者がいる人は積極的に大腸がんや大腸ポリープの有無を確認すべきでしょう。
大腸の精密検査として大腸内視鏡検査があります。下剤と腸管洗浄液を使って、便を出し切ってから内視鏡で調べる検査です。大腸がんやポリープの有無がその場でわかり、状況に応じてその場で治療をすることが出来ます。
大腸がんの前がん病変(がんになる前の段階)として大腸ポリープ、とりわけ大腸腺腫(せんしゅ)が知られています。良性のポリープの段階ですべて切除してしまうことで、切除後10年間における大腸がんの発生リスクが半分以下になるとの報告が近年相次いでいます。
よって、大腸がんを予防するためには、定期的に内視鏡検査を受けて早い段階で線種を見つけ出し切除することが望ましいと思われます。ただし、大腸内視鏡検査は、検査医の腕によって辛い思いをすることもあり、また検査医によって腺腫や癌の発見率に差があることが知られていますので、検査件数の多い専門施設での専門医による内視鏡検査をお勧めします。